
レオナルドに興味や関心の強い人にとって、一度は訪れてみたい場所の一つがこのカーサ・ナターレ・ディ・レオナルド(レオナルドの生家)でしょう。
私も行ってみたい気持ちは強かったのですが、結局フィレンツェ市内の観光を優先して訪れることはありませんでした。今思うと行ってみても良かったんじゃないかと多少の後悔は感じてしまいます。
ただ、何と言ってもヴィンチ村は近いようで遠い場所で、フィレンツェからは50キロほどの距離があります。車だと一時間半ほどでしょうか。往復で三時間、観光時間、休憩時間等を考えると結局、1日がかりとなってしまいます。
貴重な滞在期間の1日をヴィンチ村の1日だけに費やすのはそれなりに覚悟が必要です。
そしてもう一つ、なかなか思い切れない理由の一つに「本当にレオナルドの生家なのか」といった疑問もあります。どことなく農家の納屋か倉庫のような外観や、ヴィンチ村から少し離れた位置に一軒だけポツンと建っている点など、一般的な個人の建物とは少し違った特徴が気になる点です。
もしかするとこの建物はレオナルドの生家などではなく、もともとはオリーブオイルを造るための公共的な搾油所だったのではないかという考えも浮かびます。
理由はこの建物の立地条件です。
この建物の周辺にはオリーブ畑が広がっているのですが、そのオリーブ畑に向かう道は全てこの建物から伸びているのです。つまり、周辺の畑から集められたオリーブの実は全てここに集まってくるような道路事情になっているのです。
そして建物が搾油所ではないかと考える理由は、オリーブの実の特徴にあります。
オリーブの実は摘み取られてから搾油されるまでの時間が短いほど品質の良いオリーブオイルが出来上がります。そのため搾油所はオリーブ畑に近いほど好条件となるのです。
そうした搾油所を設置するにはうってつけの位置に建てられているのがこの建物なのです。
そう考えて改めてこの建物を眺めてみると本当に搾油所に見えてくるから不思議です。
もしかして世界中の人々がレオナルドの生家と信じていた建物が実は民家ですらなく、単なるオリーブオイルの搾油所跡だったというのも十分にあり得る話かもしれません。